25・マブヤー対のりだー
Yさんたちがふくみみ家を去ったあと、ふくみみ・おーほりも野底小学校での環境教育関係の仕事のためしばしお出かけ。 おうちには、我々夫婦と、ふくみみのりだーと、三男坊の乳飲み子モッコシ・もっくんと、猫数匹………。 アジアンな雰囲気漂うリビングで、まったりのんびり過ごす時間。 そんな空間で、一人マンガを読みふける我が妻マサエ。 が。 10年ぶりに、それも彼らが石垣に引っ越してきてから初めてお邪魔しているというこういう機会に、学生時代、そしてかつての職場でさんざん可愛がっていた後輩と話すことなく、ただマンガに夢中になるってどういうことよ?? まったくB型とはオソロシイ……。 やがてふくみみ・おーほりが仕事を終えて戻ってくると、長男ユイマルも下校してきた。 そうやって至福のだらだら時間を過ごしているうちに、そろそろ我々もYさん邸に戻る時間になった。 ありがとう……。 どこ? このツムグ、前夜Yさんから琉神マブヤー(沖縄で大人気のヒーローもの)の人形をもらってからというもの、肌身離さずずっと大事にしているそうで、保育園にまで持って行った彼はこのときもずっと手にしていた。 僕は左右にいるクーバー1号・2号が好き……ハゴー! そんな彼に、マブヤーとツムグはどっちが強い??と帰りの車中で尋ねてみると、 「……マブヤー」 子供の現実認識はしっかりしているのだ。 母ちゃんの仕業と知り、怒るツムグ。 「もぉー、イジワルするなぁー!!」 後部座席で一部始終を見ていた僕は、それに応えた母の言葉を聞き、腹を抱えて笑いそうになってしまった。 「これはイジワルじゃないの。オチャメっていうの」 自分で言うか(笑)。 ふくみみ夫人のことを我々はなんで「のりだー」と呼んでいるのか。 怒るとコワ〜イ、かめ〜んのりだー!!写真提供:タコ主任 88年12月の大学祭で公開された、タコ主任監督、琉球大学ダイビングクラブ配給の名作オリジナルビデオ映画「仮面のりだー」の主役である。 さぁ、マブヤー対のりだー、勝つのはどっちだツムグ?? まったくの余談ながら、そのときの悪役は、悪役史上最強といわれた(?)怪人ナマコ男!! 「ナマナマッ」と不気味な声で鳴くこのナマコ男の正体は?? 写真提供:タコ主任 ……この悲しげな表情を見てもわかるとおり、ノリのいい1年生ということで無理矢理引っ張り出されてしまった彼にとって、この「ナマコ男」は人生最大の汚点であるに違いない……。ねぇ、院長?<あ、言っちゃった! 念のために言っておくけれど、ダイビングクラブの本来の活動と「仮面のりだー」とは、まったく何の関係もない。 さてさて。 おそらく……いや、間違いなく、すでに母ちゃんよりしっかりしている。 今回はまったく手ぶらで来てしまったこともあって、彼には後日のお土産を約束した(本人はどうやら信じていなかったらしい……)。 ケンプファーはすでに作ったというので、父ちゃんからこっそり彼が次に欲しがっているものを聞いた。 さてそのシブイモビルスーツとは?? 撮影:ふくみみ・おーほり 1/100スケール、マスターグレードシリーズのガンタンク!! ガンタンクって、ただでさえ部品数が多くて大変なはずなのに、マスターグレードシリーズときたら、僕なんかは箱を開けただけで気が遠くなった。 素晴らしいッ!! なんか、こうやって見せてもらうと、25年ぶりにガンプラ作りたくなっちゃったなぁ………。 ガンプラでお茶を濁すわけにはまったくいかないほどに、すっかりふくみみ一家にはお世話になってしまった。 お世話になったと言えば。 石垣島に引っ越してくれば、東京よりもよっぽど近くになったんだから、ジュンコさんともしょっちゅう会えるように……なるかというと、なかなかそうできないのがおもしろいところ。 …ということをけっして我々が無沙汰をしてしまった言い訳にするつもりはないものの、遅ればせながらの引越し祝いだ、新築祝いだ…などと言いながら遊びに来て、結局思いっきりお世話になってしまった。 石垣に越して来てからヒサコさんは全然ダイビングをしていないそうで、 「ダイビングは水納島でするよぉ!」 と言ってくださる。せめてそうやってお越しいただかないと御礼のひとつも出来ないので、是非遊びに来てください。 とりあえずその前にせめてものご恩返しにと、翌朝うちの奥さんと二人で「援農」をした。 菜園コーナーの一角。 ……といっても、この穴はもともとYさんがセッセと掘り起こした穴。 いや、実際やってみるとたった4つでもけっこう難儀なんですぜ。 |