37・プリマヴェーラ♪
さして広くないモンレアーレの町をさらにテクテク散歩してみるというのも魅力的だったものの、今からパレルモ市街に戻ればちょうどお昼頃、というほどよい時間だったので、そろそろモンレアーレを去ることにした。 バス停までの戻り道、ふと小道の先を見やると……… ドォーモの後陣があった。 なんだよ、大聖堂って後ろ側のほうがかっこいいじゃん。 が。 しかし!! 雨の中、行きとは違うベルベデーレな道を下っていると、バスが停まっているのが見えた。 二人にはゆっくり歩き続けてもらいつつ、バスまで駆けつけると、運ちゃんエンジン始動。 「ああ、いいですよ!」 なんとなんと、バスちゃん今まさに出発せんとす、ってところだったのだ。 繰り返すけど、このバス、約30分に1本。 逆に1秒の待ち時間もないなんて……… ギリギリセーフで乗れたはいいけれど、行きと同様またしても刻印器は我々のチケットを受け付けてくれなかった。 ともかくありがとう!! 「 Prego.」青年はさも当然のことをしたとばかりに、静かに席に着いた。 困っている人を見ると放っておけない パレルモはそんな人たちだらけだ。 行きと同じく、バスに揺られること40分ほどで、終点インディペンデンツァ広場に着いた。 再びヌォーヴァ門を通り抜け、ヴィットリオ・エマヌエーレ通りを歩く。 我々が……というか、僕が今目指しているのはボローニ広場。 トラットリア・プリマヴェーラ♪ お店のオープンは12時半。 神がかり的!! 1時過ぎくらいから店内はにぎやかになっていったものの、オープン直後は他に誰もいなかった。 いかにもシチリアーノって感じの方だった 例によって、小さい女性と老人連れなので、一皿を分けあって食べたいんですけど……作戦。 ただ単にもったいないから備え付けのものを食っていた、という説もあるけどね。<そっちに千円。 一応食べ過ぎにならないよう、前述のブログの方がオススメしていたアンティパストミストをひとつ頼み、ハウスワインの白500ミリリットルを。 乾杯! で、このアンティパストの様々な惣菜の美味しいこと!! 皿が届くやただちに食べる人たちばかりなので、うかうかしているとその写真を撮れない。 そしてお待ちかね!! 鰯のブカティーニ!! これが………本場のアルデンテか!! まるでイデの発動を初めて目にしたギジェ・ザラルのような感動を味わった。<わかりますか? そして、一皿を一人で食べる場合には絶対についていないであろうパスタバサミ(なんていうの?)をつけてくれているところがうれしい心遣い。 ……ああ、でもこれは一皿丸々食いたかったなぁ! そしてこちらは…… ボッタルガのパスタ。 これがまたアルデンテ。美味いのなんの。 「これだったら家でも作れるんじゃね?」 的なものばかりだった(ジジ・マンジャのウニパスタは無理だけど)。 でもここでいただいたパスタは、たとえ食材を揃え得たとしても、けっして沖縄の自宅では作れない地元の味だ。 美味いッす!! これも一皿丸々食いたかったなぁ!! ところでこのパスタ。 だから熱い味噌汁をズズズズーッってのもありえなければ、麺類を喉越し鮮やかにズズズズーッてこともありえない。 ありえないというのは、自らが格好悪い、ということじゃなくて、周囲を不快にしてしまうのだ。 なので、出発前まで家でパスタを食べるときに、ずっと練習していた僕なのだった。 一応出発前から口を酸っぱくしてうちの奥さんは注意し続けてきたものの、人生70余年を蕎麦・うどん一筋で生きてきた人が、にわかに食べ方を変えられるはずはない。 酒が進むと、いつの間にか豪快に ズズズズズズーッ!! 「また啜ってるよ、父さん!!」 うちの奥さんが注意しても、 「んなもの、いいんだよ!」 開き直る父ちゃん。 欧米人が埼玉の自宅に来て、土足のまま上がってきたらどう思います?それと変わらないことをしてるんですよ。 …というと理屈ではわかってはくれるのだが、それでもやはり、 ズズズズズズーッ!! 体は反応しない。 その他もう一品、カジキマグロのインボルティーニを頼みたかったところ、残念ながらカジキがないとのこと。 しょうがないのでそれを頼んだものの、肉が包んでいたものが何かすら忘れているくらいだから、衝撃度はパスタ2種に及ばなかったのは間違いない。 そうこうするうちに、気がつくとハウスワインの赤500ミリリットルを頼んでいる我々。 約一名「ズズズズズーッ」 結局1リットル飲むんだったら、最初からボトルで頼めばよかったんじゃね?? 水もボトルで一緒に頼んでいるので、水を多めに飲んでおいたほうが…… 「ダイジョーブだよ」 その大丈夫がホントに言葉どおりだったらいいんだけど……。 食後にエスプレッソを頼んだ。 どこのバールで頼んでも、テーブル席に着いて飲むときは必ずあのお猪口のようなデミタスカップで出てくるエスプレッソなのに、なんとここは、バールのテイクアウト用容器(コーヒー用ミルクの容器を少し大きくしたくらいの大きさ)に入れられてテーブルに登場。 写真撮っとけばよかった!! きっと、こういうところの経費を節約しつつ、料理を安く提供してくれている、ということなのだろう。 いやあ、堪能した!! 気持ちもすっかりプリマヴェ〜ラ〜になった我々なのだった。 しかし。 |