全長 4cm
その昔は和名がついているヘビギンポの仲間といえば、タテジマヘビギンポかカスリヘビギンポくらいのものだった。
ところが今やこの分野の分類研究も随分進んでいるようで、実に数多くのヘビギンポの存在が世に知られるようになっている。
その多くは微妙な差異で見分ける必要があり、なおかつ婚姻色と通常の色がまったく異なる種類ばかりだから、存在が明らかになればなるほど、目の前にいるこのヘビギンポ類はいったい誰?ということになっていく。
このヘビギンポも、以前はオタマサが撮った婚姻色を発しているオスの↓この写真だけしかなかったので、ホントにアヤヘビギンポなのかどうかいまひとつ自信がなかった。
もっとも、その婚姻色が少なくともカスリヘビギンポとはまったく別物だということは即座にわかる。
この魚は、オタマサが発見当時の我々には未知のヘビギンポだったものの、すでに世間では広く知られており、和名までついていたことに驚いたものだった。
水深ヒトケタメートルあたりで普通に見られるらしい。
ただし年がら年中こうして婚姻色を出しまくっているわけではないだろうし、通常色はどうやらパッとしない系のようだから、たとえ出会っていたとしても、気づかずにスルーしてしまう可能性が高い……。
婚姻色に出会いたければ、梅雨明け前までの春に是非。
※追記(2022年5月)
居場所や婚姻色が観られる時期がわかってからも、なかなかヘビギンポ巡りをする機会がなかったのだけど、この春(2022年)ようやく念願がかなった。
リーフエッジが入り組んで迷路のようになっている岩場のポイントの浅い浅い岩肌をジッと観ていると、ヘビギンポたちの姿が見えてきた。
そして、アヤヘビギンポのほぼノーマルカラーの姿も。
この姿だとさほどパッとしないのだけど、やはり季節柄、ひとたび興奮モードになったオスは見違える姿になった。
ヘビギンポたちは日中に産卵をするから、じーっくり観ていればそのうちチャンスが訪れるだろう。