全長 30cm(写真は10cmほどの若魚)
体型も体のブルーもウメイロモドキの雰囲気を醸し出しつつ、尾ビレの上下端にはタカサゴのような黒のチョンチョンがついているハナタカサゴ。
民宿大城の今は亡きおじぃがお元気だったその昔は、民宿のお客さんの夕食のために毎日のように「はまかぜ号」をかっ飛ばしてグルクン釣りに出かけておられたから、釣果を見せてもらう機会も多かった。
そのなかにときどきこのハナタカサゴの丸々と太った立派なオトナが混じっていたような覚えがあるのだけど、尾ビレが黄色いものはいなかったはず。
尾ビレの黄色味は、おそらく若魚の頃だけと思われる。
……と思ったら、オトナサイズでも尾ビレが黄色い写真もネット上にあった。
個体差か?地域差なのか??
いずれにしろ水納島近海では数が少なく、ハナタカサゴが群れているのを海中で観た記憶はない。
それどころか出会った記憶もほとんどなく、写真として残っているのは、2011年、2012年にかけて同じポイントのリーフエッジ付近にいた若魚(冒頭の写真)のみ。
それもせいぜい1、2匹だった。
もっと南洋の海になるとハナタカサゴの群れもフツーに見られるようだから、タカサゴやクマザサハナムロ、ウメイロモドキなどに比べると、主生息域はもっと南洋に偏っているのかもしれない。
リーフエッジ付近にしばらく居続けてくれた若魚は、同サイズのウメイロモドキの若魚と、いつも行動を共にしていた。
ところで、民宿大城のおじぃが船釣りで釣っていたってことは、当時は群れていたってことなのだろうか。
おじぃの釣りポイントは島の西側が多く、我々が普段潜る水深よりももう少し沖合いに船を停めていたから、ひょっとするとオトナの生息水深はもう少し深いところなのかもしれない。
おお、それはかつてのユメウメイロと同じ?
ということは、ハナタカサゴもいつの日か浅いところでも群れ始める………かもしれない。
いずれにせよ現在の水納島ではかなりレアなグルクンなので、観られるとしてもせいぜいリーフエッジ付近の若魚数匹くらいだろう。
グルクンの仲間の若魚が数匹いたからといって、インパクトはゼロに近いから、珍しかろうがどうしようがどうでもいいという方のほうが多いかもしれない。
でもハナタカサゴ、冒頭の写真よりもさらに小さい頃は、注目してみるとけっこうかわいい。
わずか1、2匹でも、彼らがリーフエッジに居てくれているチャンスをお見逃しなく。
※追記(2020年4月)
ハナタカサゴについて、過去写真を振り返っていても、撮ったはずの写真が無い。
近頃は自分の記憶がいかにあやふやかということがこれまで以上に思い知らされることが多くなっているから、その写真についてもきっと記憶違い、例によって「撮ったつもりでいた」脳内写真に違いない。
ところが。
オシャカになったパソコンのハードディスクも念のためにサーチしてみたところ……
現在使用しているパソコンや外付けハードディスクに保存されていない写真を発見。
珍しく記憶の方が確かだったのだ。
そのひとつがこちら。
なんとハナタカサゴが4匹も!!
おそらくこれがハナタカサゴ人生最多記録のはず。
そしてウメイロモドキと一緒になっているときは…
3対1でハナタカサゴの勝ち!(画面外にウメイロモドキはもっといましたが…)
…と、まぁたしかに「写真があるはず…」という記憶の方が正しかったのだけど。
記憶に残っていたほど大した写真ではなかったのだった。