全長 8cm
水納島の白い砂底を見渡すと、白地に茶系の縞々模様の共生ハゼたちがそこらじゅうにいる。
ことさら共生ハゼに興味があるわけではない方がご覧になると、それらはすべて同じ「ハゼ」扱いをされているかもしれない。
そこで一歩踏み込んで注視してみると、それぞれにちゃんと違いがあることに気づく。
このハチマキダテハゼは、その名のとおり、鉢巻をしているかのような位置にラインが入っているのが特徴だ。
他所の海ではどうか知らないけれど、実はこのハチマキダテハゼ、水納島ではそれほど多くはない。
浅いところではまず見られず、ヤシャハゼやヤノダテハゼなどがウジャウジャいるようなところでは観たことがない。
水深20mよりも深い砂地にいる傾向があるから、それで個体数が多くないとなると、出会う機会はかなり限られてくる。
ところが不思議なことに、そんなハチマキダテハゼがなぜだかよく観られる場所がある。
このようにたいていペアでいるものの、(おそらく)オスの警戒心はやたらと強く、すぐに引っ込んでしまうから残された(おそらく)メスが1匹だけ、になることが多い。
そこで観ているかぎりでは、彼らはもっぱらニシキテッポウエビをパートナーにしているようだ。
ダイバーがすぐ近くまで寄っているにもかかわらず、エビちゃんがここまで巣穴から出ているところをみると、メス(推定)は気が大きく、警戒心もさほど強くはないのかもしれない。
おかげで、シャッとしたそのフォルムをじっくり眺めさせてもらえる。
白地に縞々のダテハゼ類とひとまとめにしてしまうとたくさんいるように思えるけれど、実は少ないハチマキダテハゼ。
そんなハチマキダテハゼに、これまた水納島では数少ないリュウキュウハナハゼが居候していることもある。
「少ない」と「少ない」が出会うとなると、確率的には「レア」になるから、これはこれでかなり稀少なシーンかもしれない。
せっかく出会っているのに気付かずスルー、なんてことがないよう、たくさんいる他種との区別をお忘れなく♪