全長 25cm
水納島でちょくちょく会えるビジュアル系アイゴ類といえば、ヒフキアイゴ、サンゴアイゴ、そしてこのヒメアイゴのトリオだ。
そのなかで唯一ヒメアイゴは砂地のポイントのリーフエッジ付近でもフツーに会うことができるから、ご覧になったことがある方もきっと多いはず。
しかしそこはアイゴ類のこと、たいていの場合「目の端チラ見」で終っているにちがいなく、出会った記憶をそっと大切にしまっているヒトは少ない。
かくいうワタシも「目の端チラ見」で長い間過ごしてきたので、せめてもう少しお近づきになっておこうと思い、とりあえず「コンデジでパシャ!」の関係になってもらった。
ヒメアイゴもやはりペアでいることが多く、浅いところもフツーに泳いでいる。
なのでリーフ上のこういうところにもいる。
リーフエッジ付近まで来ても……
やはり仲良く一緒にいる。
こうして一緒にいる写真だけ観ていると、四六時中つかず離れず寄り添っているかのように錯覚してしまうけれど、なにげにそれぞれが岩肌の藻をついばんだりしているうちに離れ離れになり、まるで単独でいるように見えることもある。
でもこの周りにはちゃんとペアの片割れがいて、ほどなくまた寄り添って泳ぐようになる。
普段はいつもペア行動なのだ。
ところで、ヒフキアイゴ同様ヒメアイゴも、繁殖を控えた時期には大集団となるらしい。
産卵も集団なのであれば、普段ペアでいる意味はいったいどこにあるんだろう??
繁殖時のギモンはともかく、ペアでいるのが常態のヒメアイゴながら、何かの拍子で独身生活を余儀なくされてしまったのか、ある時仲良く泳いでいるペアにちょっかいを出してきたものがいた。
あわよくばメスを奪い取ろうとでもいうのだろうか(逆かもしれないけど)。
2匹の(おそらく)オスは、たちまちケンカとなった。
動画の最初のほうで攻守が入れ替わるこのケンカ、途中から撮影し始めたため、どっちがペアのオスだったか、今となっては記憶にない。
それよりも、動画冒頭にチラッと出てくるペアのメスを置き去り状態で、果てなく遠くまでバトルチェイスをしながら去っていくオスたち…。
このあとペアのオスがメスのもとにちゃんと戻ってきたのだったかどうか、残念ながらまったく記憶にないのだけれど、どんなに単独でいるように見えてもいつの間にかペアに戻っている様子を観るかぎり、バトルオスもきっと決着をつけて戻ってきていたのだろう。
ここまでバトルを繰り広げていながら、産卵の際にはケンカした者たち同士が集団のメンバーになっているんだろうか??
だったら普段からケンカせずに、3匹で暮らしていてもいいような気が……。
産卵という一大イベントはそれはそれとして、ペアでいるというのは、ヒメアイゴやヒフキアイゴたちにとっては普段の暮らしの質、いわゆるクオリティオブライフの向上のためなのかもしれない?