全長 35cm(写真は4cmほどの幼魚)
ヒレグロコショウダイのチビもやはりクネクネしている。
クネクネしているこのチビを海中でひと目見て、その場ですぐさま種類を特定できる方は、さかなクンもビックリの相当なお魚好きといっていい。
チョウチョウコショウダイやアジアコショウダイではないことはわかるにしても、オレンジ色がほのかに入ることだけに注目すると、
コロダイ?
となってしまう(沖縄で観られるコロダイの幼魚は白と黒だけど)。
しかし幼魚ではあっても見比べれば違いは一目瞭然なので、後刻図鑑で調べれば正体はすぐさまヒレグロコショウダイであると判明する。
判明はしても…
ヒレグロコショウダイ?
そんなのいたっけ…?
…という方のほうが多いかもしれない。
なにしろヒレグロコショウダイは、図鑑的には珍しくもなんともないように書かれているわりには、世界のどこでも群れたりしないらしい。
水納島でももちろん同様で、砂地のポイントのリーフ際の岩陰や、岩場のオーバーハングの下などでたいてい1〜2匹でいる。
でまた、けっして美しくないわけじゃないけど、幼魚と比べても、またムスジコショウダイやアヤコショウダイと比べても、随分品下がる感が…(※個人の感想です)。
ヒレグロコショウダイのオトナといえば、ずっとこんな感じだと思っていたのだけれど、ひょっとすると環境による違いかもしれない。
近年一時的にオトナが随所で観られるようになっていたヒレグロコショウダイ、たいていはオーバーハング下の暗がりにいることが多いのだけど、なにがどうしたのか明るいところにいたものは…
…暗がりで観られるものとはひと味違って見えた。
本来の体色はどっちなのか不明ながら、いずれにせよ個体数は少ない。
少ない魚の幼魚ともなればなおさら少なく、過去24シーズン(2018年現在を過ごした水納島で)、幼魚はまだ1匹しか会ったことはない。
せっかく近年になってオトナをちょくちょく目にするようになっているのだから、それならそれで、せっかくなら幼魚と出会える機会をたくさん与えてくれるとありがたいんだけどなぁ…。
※追記(2021年8月)
…と思っていたら、昨年(2020年)9月にセカンドチャンスがあった。
前回出会ったチビがいた場所と似たような環境の、リーフ際の死サンゴ石が転がるゾーンにチビが出現。
残念ながらご滞在は1週間ほどと短く、その姿を紹介できたゲストは数えるほどしかいない…。
※追記(2022年11月)
今秋(2022年)も幼魚に遭遇した。
人生最小級というわけにはいかなかったかわりに、これまで目にしたことがない成長段階だ。
10cmほどあるからそろそろ若魚という段階かもしれないこのチビ、同じくらいのアヤコショウダイとそっくりなんだけど、腹ビレに黒帯部分がハッキリクッキリ見えていたらヒレグロコショウダイ確定ということでいいらしい。
ちなみにこのチビはリーフ内のサンゴ群落で軽くクネクネしていた。
リーフの外はむしろレアケースで、チビターレの間はもっぱらリーフ内で暮らしているのだろうか。