全長 70cm
水納島ではこれまで(2019年4月現在)の過去24シーズンで、2〜3度しか目撃例がないイレズミウミヘビ。
数少ないサンプル数だからあてにはならないものの、トンガリホタテウミヘビとモンヒモウミヘビのちょうど中間ほどのサイズで、警戒心はそれほど強くはない感じ。
写真の子は、正面からも近寄らせてくれた。
こうして光を当てた写真だけ見ると、その派手な金色の柄がいかにも目立ちそうに見えるけど、海中では黒い斑紋のように見えるため、それほどの目印にはならない。
それよりもなによりも、この金色模様の顔だけ観ていたらまったく想像できなかったことに、彼らの頭部から下は、シマウミヘビのような白黒の縞々模様であるらしい。
トンガリホタテウミヘビやモンヒモウミヘビに比べると日中で体を晒している目撃例がけっこうあるようで、ネット上の海中で撮られている写真を拝見すると、どれもみな白黒の縞模様だったからたいそう驚いた。
この顔で体は白黒のストライプだなんて、ほとんどサギだよなぁ……。
あいにく水納島における数少ない目撃例ではすべて、砂中から顔だけ出している状態だったため、そのお体は未確認だ。
レア度に鑑みれば、探したからといって見つけられるわけではないイレズミウミヘビ。
広大な砂底で彼と出会うには、ただただ偶然に頼るほかないものの、肉眼では地味に見えるだけに、いると信じて探しでもしないかぎり、出会っていることにすら気づかないかもしれない。
運よく全身を出してくれていれば、遠目にはシマウミヘビに見えるかもしれない。
顔を観たらイレズミウミヘビだった、なんてこともあるかもしれないのだから、それがたとえ本当にシマウミヘビだったとしても、チェックを怠ってはいけない。
……って、逃げていくシマウミヘビの顔をチェックするだなんて、大変なんですけど。