全長 35cm
巨群は作らないけど、イッテンフエダイはそこかしこでパラパラと目にする魚で、この写真を撮った場所にも3匹ほどいた。
ただし同じく数少ないオキフエダイに比べると、その行動範囲は広く、根が点在しているような場所だと一か所に留まっていてくれない。
なのでこれまでさほどお近づきになったことはなく、ずっとイッテンフエダイと信じてきたこの魚が本当にイッテンフエダイなのかという根本的なところで自信がない。
ダイバーにはあまり見向きもされないこのテの魚たちは、一方で釣り人にはとてもポピュラーな魚で、クロホシフエダイとイッテンフエダイの区別は、釣り人の間では日常的な疑問であるらしく、両者の違いを調べるべく検索してみると、釣り人サイトが星の数ほどヒットする。
ただ、釣り上げられた姿になると、海中での姿と随分様子が異なるため、強力な参考とはなりにくい。
そこでさらに調べてみると、区別の方法として重要な情報を見つけた。
いわく…
上顎にある鋤骨歯帯の中央部を見ると、クロホシフエダイでは後方へ突き出ているが、イッテンフエダイでは突き出ていない。
そんなの、海の中でも写真でもわかんねーよ!
色味についての見分け方にも触れられているものがあった。
いわく…
イッテンフエダイの各ヒレはふつう黄色いが、クロホシフエダイでは腹ビレや尻ビレは黄色いが、背ビレや尾ビレは黄色くない。
おっ。
これを信じるなら、冒頭の写真の子はやはりイッテンフエダイってことでよさそうな感じ。
遠めながらも運よく、ワタシがクロホシフエダイ認定している魚と交差してくれる瞬間があった。
先ほどの見分け方を参照するかぎりでは、左側の子はクロホシフエダイということで間違いなさそうだけど…。
このあたりのことについては、ダイバーよりも釣り人に訊いたほうが話が早いに違いない。
ただ……
沖縄の釣り人に訊ねてみても、帰ってくる答えはおそらくどちらの魚も
「ヤマトビーよ。」
で片づけられてしまいそうな気が……。