10cm(写真は3cmほど)
ボートダイビングがもっぱらなので、目の前の海といっていいビーチに潜る機会は少ない。
機会は少なくとも、桟橋脇やビーチで潜るたびにエントリーエキジットの場となる桟橋の付け根付近は、回数でいえばこれまで何度もチェックしているところではある。
この晩秋(2022年)そんな場所で、まさかの人生初遭遇@水納島の魚が。
ミズタマハゼだ。
砂浜から水に浸かり、フィンを履こうとしているときに眼下にいた。
地の色が白いからわかりづらいけど、頬のあたりの水玉模様と、背ビレの点ポチというわかりやすい特徴を持つアカハチハゼの仲間だ。
その昔ソロモン諸島はガダルカナル島在の先輩を頼って訪れた際に観たことはあったものの、水納島では初遭遇。
同じ場所に2匹いたうちの大きいほうで3cmほどとたいそう小さく、まだ子供なのだろうけど、行動はオトナっぽく、海底に沈んでいる木の皮だかなにかの傍らで巣作り行動をしていた(下の写真は口に含んだ砂礫を吐き出しているところ)。
アカハチハゼやクロイトハゼと同じく、口の中に砂礫を詰めて運び出すハゼなので、口の中の容積はかなり砂礫運搬能力がありそう。
小さいほうは2cmにも満たないくらいながら、大小が同じ場所にいる時間が長かった。
なので早くも2匹はペアになっているのかと思ったら、一緒にいるのはイヤじゃないけど行動は別々…といった感じで、小さいほうは小さいほうで、傍らの小石の脇で同じように砂礫を排除する仕草を見せていた。
この巣作り(?)行動が面白かったので大きいほうを動画で撮っていたところ、フタスジタマガシラのチビが近寄ってきた(40秒あたりから)。
その様子はなんだか…
ドラえもんの道具で秘密基地作りをしていたのび太のところにやってきたジャイアンが、
「のび太ぁ、いいもん作ってんじゃんかよぉ」
とか言いつつやってきた…
…かのような。
そしてせっかくこさえた秘密基地をジャイアンに横取りされそうになったのび太が「ひどいよジャイアン!」とかなんとか弱々しく抵抗すると…
「のび太のくせに、文句あんのかよぉ?」
と凄まれる…
…といったシーンのようだった(このあとしばらくするとフタスジタマガシラは気が済んだらしく、やがて去っていった)。
しばらく時間をおいて再び桟橋脇に戻ってくると、ミズタマハゼたちは巣作りに飽きたらしく、大きいほうはなぜだかホバリング態勢になっていた(背後は桟橋のコンクリート壁です)。
これまでずっと会えなかった魚が、まさかこんなところにいたなんて。
灯台下暗しならぬ、桟橋脇暗しってところだ。
図鑑によるとミズタマハゼは近くに河口があるような内湾っぽい環境が好みのようだから(まれに河口にもいるらしい)、本来なら陸水環境が無い水納島のようなところにはいないはず。
こうして水納島初遭遇ができたのは、人工的内湾環境になっている桟橋脇ならでは、ということなのかもしれない(だからといってこのまま増え続けるわけではないはず)。