水納島の魚たち

ニシキカワハギ

全長 7cm

 ニシキカワハギを認識する以前は、リーフ際でヌリワケカワハギ(ジョンストンニシキカワハギ?)を見ては、

 「これはニシキか、ヌリワケか?」

 と思い悩んだものだった。

 ところがなんのことはない、実際にニシキカワハギと実際に出会ってみれば、似ているとはいってもその体色は随分異なっていた。

 オレンジ色は尾ビレ限定だから、前から尾ビレが見えない状態で観てみれば、その違いは歴然としている。

 ヌリワケカワハギに比べればニシキカワハギはかなり浅いところが好みのようで、もっぱらリーフエッジ付近のリーフ上で、サンゴの陰からチラホラその姿を見せる。

 もっとも、警戒心の強さはヌリワケカワハギ同様で、「おっ!」と思って注視した途端、ササササ…と陰に隠れてしまう。

 なのでニシキカワハギは、フツーにいるはずにもかかわらず、(水納島のボートダイビングでは)フツーに出会えないといっていいかもしれない。

 出会えないだけに写真などろくに撮れないままでいたところ、ヘナチョコながらもなんとか全身を写すことができたのだった(冒頭の写真)。

 彼らの恋のシーズン(秋か?)に浅いところで長時間過ごしていれば、きっともっとお近づきになれることだろう。