全長 30cm
水納島の場合、砂地のポイントよりは岩場で目にすることのほうが多い気がするオオモンハゲブダイ。
その名のために、ハゲブダイよりも大きくなる種類なのかと思いきや、大きいのは紋であって体のサイズではなかった。
ハゲブダイほどではないにしろ、岩場にいけばフツーに会えるオオモンハゲブダイだから、けっして珍しい種類ではない。
でもオビブダイと同じく、ワタシは彼らのチビターレを認識したことがない。
チビターレどころか、メスの姿すらおぼつかない。
はてさて、オオモンハゲブダイのメスとはどのような色形なのだろうか。
例によって「ベラ&ブダイ」を頼ってみたところ、
「(メスは)ハゲブダイやオカメブダイに酷似し、外見で識別するのは困難である」
と、やはりここでも諦めムード。
図鑑写真で見るかぎりにおいては尾ビレ付け根付近の赤っぽい点々はわりとわかりやすいと思うのだけど、なにしろ見た覚えがないし、オーソリティが外見での識別は困難だというからには、相当難しいのだろう。
ただし、他とハッキリ区別できるオスが、興奮モードになって産卵行動にメスを誘っていればチャンスかも。
いくらなんでもオスが相手を間違えることはないだろうから、彼がアピールしている相手こそが、オオモンハゲブダイのメスであることは間違いない。
……って、ホントに彼らも間違えてないんだろうか?
とにもかくにも、そのためにはまずオスをしっかり見極めておかなければどうしようもない。
フム……こうしてあらためてじっくり観てみると、オオモンハゲブダイのオスってけっこうきれいなんですね。
今まで知らずにいてゴメンナサイ。
オスの美しさすら今まで知らなかったくらいなんだもの、そりゃチビターレやメスに会った記憶がないのも当然か……。
チビやメスに関しては追記を待て。
※追記(2021年3月)
砂地のポイントのリーフエッジ付近やリーフ上といった浅いところを好むブダイ類が多い一方で、岩場のやや暗い感じが好きっぽいオオモンハゲブダイの場合、浅い浅いリーフ上でどれほどブダイ眼になって潜っていても出会えない。
ところが岩場に行くと、よく目立つオレンジ模様を誇らしげに見せびらかすように泳いでいるオスの姿を見ることができる。
2020年〜2021年のオフシーズンはブダイ眼になっているおかげで、オスはわりとコンスタントにいることがわかってきた。
オスがコンスタントに観られるってことは、メスがいないはずはない。
さっそくオスの周りでメスサーチをしてみたところ……
いた。
もっと小さい頃は似たような地味地味ジミーなブダイ類が多いから見分けるのは困難でも、これくらい(12cmほど)に育っているメスなら、区別が容易なアイデンティティ・カラーパターンがあるのだ。
うーん、なんともわかりやすい目印。
とはいえそもそも地味地味ジミーだから、遠目にそれとは気づけない……
……という方も心配御無用。
よく目立つオスをランドマーク代わりにすれば、その後のメスとの遭遇は約束されたも同然だ。
え?
別に会いたくないって??
おいちゃん、それを言っちゃあおしまいよ。