全長 12cm
ときおりリーフ際あたりの暗がりで、1〜2匹で寂しそうにしている大きめのハタンポたちを見かけることがある。
これは、若い頃はゴシャッと群れているミナミハタンポたちが成長してオトナになり、我が道を行っているからなのか、大きなオトナになる頃にはサバイバル的に数が減るからなのか…
…それともまったく別の種類なのか?
と、かねてより不審に思っていたところ、ひょんなことからハタンポドクター・コエダ先生のご教示をいただく機会を得た…ということはミナミハタンポの稿で紹介したとおり。
そしてコエダ先生の同定により、この寂し気なやや大きめのハタンポたちは、リュウキュウハタンポであることがわかった。
また、ユメハタンポの稿でも紹介している、我々シロウトでも区別をつけやすい種ごとの特徴によると、
ミナミハタンポ
よくみる群れてる小さいやつ(胸鰭基部に黒斑なし、ただし鰭を開くと黒いので注意)
リュウキュウハタンポ
たまにいるやや大きいやつ。少数で群れる(胸鰭基部に黒斑あるが明瞭ではない;胸鰭は全体に赤っぽい)
ユメハタンポ
単独でいる大きいやつ(胸鰭基部の黒斑がとても明瞭;胸鰭の上の方が黒っぽい)
とのこと。
岩陰で寂しそうにしているこのハタンポの胸ビレに注目してみると……
なるほど、たしかに全体的に赤っぽいや…。
ミナミハタンポも胸ビレが全体的に赤っぽいといえば赤っぽいんだけど、
このように胸ビレを閉じているとき(体にピタッとさせている時)に胸ビレの基部(矢印の先)に黒斑が見えないのに対し、リュウキュウハタンポは胸ビレを閉じているときでも黒斑がある。
おお、ハタンポドクター・コエダ先生のおかげで、付け焼刃にわか仕込みではありながらも説得力抜群に区別できるじゃないか、ワタシ!!
四半世紀前の混乱した状態を思えば、隔世の感あり。
優れた研究者が各分野で活躍してくれれば、もつれにもつれた糸もあちこちで解きほぐされていくのである。