全長 3cm(写真は2cmほどの若魚)
アワイロコバンハゼを初確認したのとほぼ同じとき、すなわちリーフエッジのサンゴたちが白化していた2016年の9月、白くなってしまいつつもかろうじて生きているテーブル状サンゴの枝間で、オタマサが↓こんなハゼを見つけた。
サンゴが白くなってしまったために、緑色のハゼがやけに目立っていたのだろう。
ただし、図鑑を見ても該当者が見当たらない。
はてさて、何コバンハゼなんだろう?
……と思っているうちにただ月日だけが流れていたところ、この期に及んで(?)コバンハゼ類サーチをしていた2020年11月に、元気いっぱいに成育中のテーブル状のミドリイシ類の枝間で↓こんなハゼと出会った。
お…これは以前オタマサが白化時に見つけたコバンハゼの仲間と同じではあるまいか。
ってことは、どうせ図鑑を見ても該当者が見当たらないってことか……。
ところが、斜め上からではあったけれどもとりあえず全身を撮れたので見てみると……
ありゃ?
これはタスジコバンハゼではありますまいか。
小さい写真じゃわかりづらいから、コントラストを強めにしつつ、タスジのタスジたる所以を拡大。
体側にはその名のとおり、多数のスジ模様が。
てっきりタスジコバンハゼといえばフタイロサンゴハゼのような色味のものばかりなのかと思っていたら、いろいろ見てみるとこういう色をしているものもいるんですね…。
彼らが暮らしているのは枝がやけに短いテーブル状のミドリイシの仲間で、それぞれの枝は細いけれど密生している。
なのでタスジコバンハゼがチョロチョロする隙間は狭い狭い。
明るい日中でもポリプの触手をピラピラ伸ばしているのは、この種類の特徴なんだろうか。
オタマサが撮った白化中の写真でも、触手をピラピラ出している。
それにしても、こんなにわかりやすい特徴があるのに、なんで2016年当時にタスジコバンハゼってことがわからなかったんだろう?
…あ。
オタマサ写真では肝心なところが全然見えてなかったんだ…。
もうこれでタスジコバンハゼの居所はわかったから、体高が高い堂々たるそのフォルムを、真横から撮ってみる努力もしてみようっと。