全長 100cm超
亡き松方弘樹や梅宮辰夫のような釣りを楽しむ太公望たちからは、英語名Giant Trevallyの略称であるGTというイニシャル名で呼ばれるロウニンアジ。
アジといえばアジの干物やアジフライくらいのサイズを思い浮かべる方からすれば、同じアジでも想像を絶する巨大さだ(でも不味いらしい)。
メーター級サイズになると、浪人という名のとおり単独生活を送るようになる一方、若魚の頃は群れ成して泳いでいるらしい。
もちろんのことそれはイソマグロの群れ同様生産量の多い海域でのことで、水納島にはそんな巨群を抱えるほどの生産量はない。
でもこれまたイソマグロ同様、単独で暮らすものとならたまに出会うことがある。
それもリーフエッジ付近といったかなり浅いところでも観られることもあり、ふと目をやった眼下すぐのところにこんなデカいのがいると、体高があるだけに100cm程度でも1畳1枚分くらいあるように思える存在感だ。
ときにはネムリブカを随伴していることもある。
しかもそれが停めているボートのすぐ下だったりするのだから、いつどこで出現するやら油断も隙もあったものではない(写真の時は体を真っ黒にしていた)。
水納島の場合、ロウニンアジももっぱらグルクンをターゲットにしているのか、彼らが現れるところにはグルクン系の魚が群れていることが多い。
登場の仕方はやはりジャイアンで、グルクンたちがドドーッと下方に避難したかと思うと、その後ろからお馴染みのBGMとともに現れる(言うまでもなくホントはBGMは無いです…)。
ただしそういう場合は、ゲストをご案内中だったり、カメラを携えてはいてもそんな大きなモノを撮れる装備じゃないときばかりだから、ロウニンアジの姿をちゃんと捉えたことはなかった。
ところが昨年(2019年)、普段滅多に行かない深めの根で、スカテンに包まれながらスミツキアトヒキテンジクダイを観ていると、周囲上層に群れているユメウメイロやヒメテングハギたちの動きが怪しくなった。
やけに密集して下層に降りてきたのだ。
すると、その群れの向こうからヌーッと姿を現したのは……
おおッ、メーター級のロウニンアジ!!
まさに「〜♪ 俺はジャイアン、ガキ大将!!」と高らかに歌っているかのよう。
ああしかし、せっかくのジャイアン登場ながら、上方を通過するだけだと下側からしか撮れないか…
…と諦めつつ上方へ接近してみると、ワタシの吐く泡が気になったのか、ギロリと睨みを利かせつつ体を傾け、ロウニンアジのほうからわざわざ近づいてきてくれた。
カッコイイッ!!
与那国あたりでは、これより2周りほど小ぶりな若いロウニンアジがときに巨群を作るという。
でも新鋭戦艦アンドロメダは、オンリーワンだからこそ地球艦隊の星なのであって、次元断層だなんだかんだとバカみたいに次から次に同じ型の艦が出てきたらただのインフレ、価値半減以下じゃないか。
< 何の話ですか?
オフコース、2202。
とにかく浪人だけに、気高く1人でいたほうが様になる。
ジャイアンに蹴散らされるグルクンたちは気の毒だけど、彼らロウニンアジに居続けてもらうためにも、頑張ってエサになってねとお願いしておこう。